kenics.net

Technical notes on perl, python, php, sql, cgi, c/c++, q/kdb+, unix/shell, revision control tools, data structures & algorithms, and their applications into web services and other various forms of software engineering.

外資金融 就活 学生からよくある質問 FAQ

作者: @knxnt 
 
####################################### 
##      学生からの よくある質問 FAQ      ## 
####################################### 
 
元記事はこちら 「外資金融 就活ストーリー」 
 
「一概には言えないが、、」という前提で、よくある質問に答える。 
 
あくまで私がモルガンで経験した範囲での主観的な答えである。同じ会社でも異なる回答をする人もいるだろう。 
 
## 
## [大学名やTOEIC点数での足切りはあるか] 
## 
 
大いにある。最近は、大学名による足切りと言うより、学部名・専攻分野をより見るようになっている、と感じる。 
例えば、テクノロジー部門なら、東大の文学部よりも、大阪大の工学部のが好まれる、みたいな。 
毎年、約15~20名の採用枠に対して5000名以上が申し込む、という規模なので、どうしても表面的な「フィルター」で切るプロセスはある。 
大学、専攻、Webテスト/TOEICの点数、特筆すべき能力/成果、ESの志望理由の文章、など採用コミッティーのメンバーで読んで「A・B・C・D」や「上・中・下」のようにして分類して、落としていく。 
 
## 
## [学部か院生かで差別はあるか] 
## 
 
学歴に関しては、学部か修士か、は基本的に関係ない。 
しかし現実には、修士のほうが、2年多く経験を積み、思考力・知識量・学術成果が増えるので有利といえる。 
リスク管理とかクオンツのように博士(ドクター・PhD)を中心に雇う部門/役職もある。 
 
## 
## [英語はできないとまずいか・どのくらいできればよいか] 
## 
 
部門によっては英語を使わなくてもよいチーム(金融庁対応のチームとか、国内顧客だけ対応するチームとか)があるので、可能性はゼロではない。 
(例外もあるが)基本的にバックオフィスほど英語が求められる。フロントオフィスはチーム次第である。 
 
ただ、英語も日本語も中国語もバッチリできて、学部も修士も東大、地頭も強い、という中国人留学生が何人も応募してくるので、日本語だけで留学経験もない日本人が戦うのは大変である。 
 
また、本質的には、TOEICの点数よりも、明晰な論理思考や抽象化・言語化するコミュニケーション能力で面接官を魅了するほうが重要である。 
 
## 
## [TOEICの点数は盛ってもよいか] 
## 
 
「TOEICのスコアを100点くらい盛っている友達が周りにいますが、マズイですか。証拠提出を求められますか」と聞いてくる学生がたまにいる。 
もちろんマズイ。内定者にスコア提出を求める部門もあるので、虚偽申告はとても危険だし、そもそも倫理違反である。 
 
ただし、TOEIC点数による足切りを恐れて、少し盛る、という話はよく聞く。 
私の親しい先輩で、100点盛って、内定してからスコア提出をする期限までに猛勉強して「盛った点数」まで無事に到達して提出した猛者がいた。 
 
## 
## [仕事の何に「やりがい」を感じるか] 
## 
 
こういうフワフワした質問は難しい。金融工学やプログラミングのスキルの向上、また優秀な尊敬できる人たちと働けること、たくさんお金を稼いだ時、等に喜びを感じる。といった具合の答えしかできない。 
 
## 
## [モルガンと他社の違いは何か] 
## 
 
新卒就活の文脈では、特にないと思われる。 
 
具体的な個々のビジネスやITシステムの違いは様々だが、新卒就活生が「モルガンは〜〜の種類のデリバティブのリスク計算のシステムを〜〜言語で実装しており、他社のシステムとは〜〜な違いがあるので、モルガンを志望します」と言ったら少し違和感あるだろう。 
 
私が関わっている株式や先物の執行引受ビジネスだと、最も規模の大きい北米市場でMS/GS/JPの三つ巴状態。だから当該分野の仕事に興味がある場合、基本的にこの3社に入るのが多く学べる。が、業界の勢力図は5年くらいしたら大きく変わるかもしれない。 
 
IBDで働く同期曰く「モルガン東京オフィスのIBDは三菱UFJと合弁会社だから、もしモルガン側の社員が過労で欠損しても三菱側から補充できる。だからモルガンの新卒は他社よりも凄惨に働かされている」とのこと。実際、IBDの同期は入社3年時点で全員辞めていた。 
 
## 
## [外資証券の日本支社は日本国内の客相手の仕事で、海外オフィスにいく機会がない聞くが本当か] 
## 
 
全然そんなことない。私の社内の直接の知り合いで、株式部・債権部・IT・HR・リーガル・Ops・監査の部門で、東京オフィスからNY・ロンドン・香港に異動した人を見てきた。他にも留学を挟んでIBD・リスク管理部で海外オフィスに働かれている知り合いがいる。 
 
もし、海外で働くのが大切な目標なら、海外の大学院に進学して、そこで現地就職するのが最も確かな方法だ。 
 
## 
## [日本(東京)とアメリカ(NY)の両オフィスで働いてみて、違いはあるか] 
## 
 
NYでは花粉症がないことが嬉しい。また、NY冬季は氷点下20度近く下がるので、スマートフォンのリチウム電池が作動停止して外で電話が使えなくなることに違いを感じた。 
 
職場での違いは、ケース・バイ・ケースである。あくまで私の経験した限り、と前置きした上で答えると、NY本社に転勤して、チームが「効率」をとても大切にしていること、「感情」を一切含まないで仕事していること、に感動した。 
 
(良い意味でも悪い意味でも)日本の組織には非効率な慣習がある。さらに、職場の人間関係に好悪の感情が表れることが多いように思われる。 
 
私がNYオフィスに異動してある日、お粗末なミスをしてしまって、その日のトレーディング収益に影響が出てしまったことがあった。 
即刻、上司に会議室に呼ばれたので、、あぁ、クビかな、と覚悟したら、彼は全く怒りや失望の感情もなく「今回の君のミスは愚かである。が、このミスは〜〜や〜〜の方法により防げる」とだけ言われて、30秒でミーティングが終わった。平均的な日本の職場だとここまで感情を排他してドライに事実と対策のみを伝達することはできないのではないか。 
 
また、もはや言うまでもないが、単一民族国家の日本と異なり、アメリカはとても多様性がある。これまで社内で一緒にオフィスで仕事をした人の国籍を思いつくままに列挙する。 
日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、イタリア、フランス、中国、台湾、インド、南アメリカ、オーストラリア、ポーランド、カナダ、アイルランド、モンゴル、メキシコ、ハンガリー、ブルガリア、モロッコ、ケニア、カメルーン、マレーシア、韓国、ベラルーシ、チェコ、ウクライナ、ハンガリー、フィリピン、シンガポール、バングラデシュ、イラン、オランダ、ルーマニア。 
「なんという天才だ!この人にはあと100年努力しても勝てない」と思わされた天才的な同僚が2人いて、そのうち1人は南アメリカ人、もう1人はブルガリア人である。世界中から凄い人材がWall Streetに勝負しに来ている。彼らと働けるのは人生の感動だ。 
 
 
## 
## [志望理由で「お金を稼ぎたい」と答えるのはありか] 
## 
 
マーケット部門で働くなら、志望理由がMoneyでも良いと思う。素直で正直なのは印象が良い。 
IBDは同期から聞く限り、お金を志望理由にした人はいない。 
 
## 
## [同期はどんな人が多いか] 
## 
 
入社前は、弱肉強食の外資金融の世界では、同期はさぞかし非情冷徹で頭脳明晰な人たちだろう、と想像していた。 
 
入社して最初の3週間は人事研修で、全部門の同期と毎日を共に過ごした。ランチや飲み会も共にして交流を深めた。 
 
すると、意外なことに現実はとても優しくてコミュニケーション能力/チームワーク精神のある人たちが多くて驚いた。 
 
## 
## [入社する前と後で、印象と違ったことはあるか] 
## 
 
入社して驚いたことがある。 
 
入社前は、会社説明会でさんざん「金融ビジネスはざまざまな業界・企業を支援し、グローバル経済の発展に貢献します」とか「証券会社の最大の資産はヒト・社員です」といった綺麗な宣伝文句を聞いた。 
 
が、入社すると、日々の業務の現場では、抽象論や理想論は全て現実論に翻訳され、「いかに1円でも多く儲けるか」が至上命題となって全ての行動様式・判断思考を支配する。これは証券会社なら当たり前のことだが、最初はビックリした。 
 
他の業界なら、日々の業務上の意志決定の議論で、「自社製品で人々の暮らしを豊かにする」「美味しい食事を提供して人々をハッピーにする」「日本の未来を支える子どもたちを育てる」みたいな大義名分や理念を唱える機会があるだろう。証券会社にはない。 
 
## 
## [求める人物像・どんな人が内定しやすいか] 
## 
 
最低限の地頭と、コミュニケーション能力と素直な人柄。また、タフなフィジカルとメンタル。くらいだと思う。 
素直、とは公平・倫理、と言い換えても良いかもしれない。 
部門によっては、例えばITだとプログラミング等の具体的なスキルのチェックもする。 
 
タフなメンタルの良い例は、半沢直樹である。彼はどんなに理不尽なことをされても、不毛な組織政治に巻き込まれても、全てを憎しみパワーに変換し戦い続ける。 
 
## 
## [成果が出せないとすぐクビになるか] 
## 
 
旋律としては、野球やサッカーのようなスポーツと同じで、使えない人は解雇である。 
また、会社や部門レベルで業績悪化して、「全世界のオフィスで債権部を30%カット」みたいなこともある。 
 
私が所属する株式部では毎年「下位5%」を切って新たな人員を補充する。決して厳しくない。100人で競争して、95位までに入れば生き残れるのだ。 
これはとても健全な組織運営だと思う。 
もしクビがない制度にしてしまうと、社会主義国家と同じで、とことんサボる方向にインセンティブが働く。 
 
どんな会社でも、下位5%にあたる人は、(その会社の評価軸において)能力・やる気・性格適性に問題があるとされる人だ。彼らを組織に残しておくのは、その他の社員全員の士気に有害な影響を及ぼす。 
 
そもそも「採用」には、(新卒も中途も含めて)どうしてもアタリ・ハズレがある。外銀は社員を切りたい時に切れるから、ハズレだったら切ればよい。採用の不完全性は、雇用の流動性で解決するというシステムだ。 
これが、終身雇用制の伝統的日本企業だと、ハズレを簡単に切れないから、採用の「アタリ」精度を上げるために、とても慎重に候補者を吟味する必要がある。 
 
## 
## [職場はどんな人が多いか] 
## 
 
外資金融というとさぞかし優秀な人の集団と勘違いされるが、実際はとても玉石混交。 
この人には、あと100年努力しても追いつけないだろう、というような天才もいるし、意外に能力もやる気も大したことない人もたくさんいる。 
 
慶応に入学する前は、天下の慶応ならさぞかし優秀な学生たちばかりだろう、と思って入ったら、全然能力もやる気もない学生がいて驚いた。能力も気力も充分に高く持ち、真剣に学問をしているのは上位10%くらいという印象だった。モルガンもそんな感じ。 
 
## 
## [どんな社員が出世しているか] 
## 
 
端的には成果を出した人。しかし、運の要素がある。 
例えば、同等の能力を持つ2人にそれぞれ個別のプロジェクトを与えたとして、2人とも同じ量・質の努力をして、結果的に片方のプロジェクトが大いに儲かることがある。 
この場合、単純に儲かるプロジェクトをもらった人がラッキーだった、といえる。(運も実力の内である) 
また、成果を出していなくても社内政治でコネを築いて出世する人もいる。あるいは、偶然にボスが辞めて(or 切られて)早く昇進のタイミングが来ることがあるかもしれない。 
 
要は、自分に出来る範囲で最善を尽くす努力を怠らない、ようにすることで、昇進の確率を最大化するのが長期的には王道の戦略だ。 
 
また、好きなことを仕事にしている人は躍進している。例えばプログラマーとして同じ学歴・地頭の学生を5人新卒採用したとしよう。そのうち1人はプログラミングが心底大好きで、平日の夜や週末の自由時間もいつも趣味で何かコード書いて作っている。この人は仕事の外で毎週10時間コード書いているとして、すると4年後には2000時間の自主トレしたことになる。こうして同期と圧倒的な差がついていく。 
こういう人は、遅かれ早かれ実力を炸裂させる機会が訪れて躍進する。それは社外かもしれない。 
 
## 
## [AIによる自動化でGSでトレーダー数百人から2人になったというニュースは本当か] 
## 
 
この質問を何度も何度も受けてきた。偽である。 
 
## 
## [何社くらい受けるのが良いか] 
## 
 
受けたい会社は全て受ければよい。 
 
最も入りたい会社を1社だけ受ける、といった戦略は一般的にとてもリスキーだ。少なくとも複数社受けよう。 
 
選考が進むに連れて、A社とB社の試験が同じ日になって、どちらかを捨てざるをえない、というシチュエーションはよくある。 
 
ES段階ではオンラインで登録するだけだから、簡単に100,200社に申し込めるが、物理的に会社に筆記・面接試験に訪れる段階になると、現実的には10~20社くらい?が限界であるように思う。 
 
業界によっては、採用試験の時期がオーバーラップしないので、秋に外資コンサル、冬に外資金融、春に総合商社の選考を受けて、みたいなスケジュールが組めるだろう。 
 
## 
## [内定辞退はどのようにしたか] 
## 
 
逆お祈りメール。「熟慮を重ねた結果、他社を選ぶことにしました。辞退します。ありがとうございました」と。 
会社によっては諦めずに食らいついてくる。再度キッパリと辞退の意志を伝えよう。 
 
余談。大学の先輩の例。この先輩は第1志望は野村證券だった。まず先に第2志望の大和証券から内定が出た。大和証券の人事部の新卒採用課は、せっかく選考して内定を出した学生を野村に取られるのを恐れている。なので野村が最終面接する日に、わざと内定者参加必須の面談会のようなものを設定して、野村に学生が逃げるのを阻止しようとする。と聞いた。 
 
たまに「絶対に蹴らないなら内定出す」というアプローチをする人事部がいる。気持ちは分かるが、学生の側も必死である。気にしなくて良い。 
 
## 
## [説明会では積極的に質問をしたほうが良いか] 
## 
 
外資金融では、説明会での質問は内定との相関はないと思われる。本当に聞きたいことがあれば聞けばよいし、そうでないなら、無理に質問をする必要はない。よほど鋭い質問をすれば、「あの学生は何者か」と覚えられることがあるかもしれないが、そのような学生は見たことがない。むしろ、残念なクオリティの質問をする学生のほうが多い。例えば、そんなこと聞かなくてもGoogle検索すれば5秒で分かるだろ、的な内容の質問は危険である。 
 
## 
## [学生の名刺は必要か] 
## 
 
大学の生協で作る学生がいるのは知っている。外資金融の新卒採用活動に関して言えば、学生の名刺は全く必要ない。 
 
## 
## [自分の強み・弱みは?という質問にはどう答えたら良いか] 
## 
 
こういう質問はデリケートで難しい。強みをアピールしすぎては慢心に映るし、弱みを正直に答えすぎると致命傷になりうる。「数理的・論理的思考が苦手です」みたいな。 
推敲に推敲を重ねて、しっかり準備しておこう。 
 
私が新卒採用の面接で使った回答。 
 
[強み]- 大学での研究を通して複雑な問題を考える訓練を受けた。成果として海外の学会に論文採択まで達成した。工学分野の学会で論文を採択されるには、複数の査読者に研究の価値を説得するだけの、全く隙のない厳密な論理武装が必要で、その思考訓練を受けてきた。証券会社のトレーディングやリスク管理には高度に知的な問題があるので、そのような能力が活かせるのではと考える。 
 
[弱み]- 研究をしていると部分最適が全体最適にならないことがある。また研究の世界ではスピードも大切。どんなに良い研究も、他の研究者に先に発表されたら、全く自分の業績にならない。ある意味1年後に100の質の結果をだすより、今日90の質の結果を出すほうが大切、という時がある。この部分最適VS全体最適の問題や、スピードVS質のバランス問題は、経験がものをいう。自分はまだまだ未熟。と感じている。 
で、すかさず「普段の業務で、部分最適VS全体最適、またスピードVS質のバランスが問題になる場面はありますか」と質問をするようにしていた。 
 
## 
##  [今までの人生で最も挫折・苦労したこと] 
## 
 
大学での研究を通して、自分がいかに凡人であるか思い知らされた。常に努力が大切と学んだ。ということを書いた/話した。 
 
## 
## [就活浪人は意味があるか] 
## 
 
ケース・バイ・ケースだが、ポジティブな就活浪人の例をいくつか見てきた。 
よくあるのは、「就活を始めるのが致命的に遅くて、充分な準備をできないまま本選考シーズンに突入してしまい、望む会社から落ちてしまった。しっかり準備したら内定できる自信がある。来年再挑戦したい!」というパターン。これで、大いに成功した人を何人か見てきた。 
個人的意見では、せっかく1年長く学生をやるなら、むしろ2年間大学院に行って修士号をとっても良いのでは、と思う。実際に、学部で就活して満足行く結果がなく、大学院に行ってから再挑戦して望む会社に入れたという同級生もいた。 
 
## 
## [院からの学歴ロンダでは内定は厳しいか] 
## 
 
チャンスはある。 
 
中堅以下の大学から、格上の大学の院に進学すると最終学歴の大学名がアップグレードされるので、巷に「学歴ロンダリング」と呼ばれる。 
特に劣等感を抱く必要は無いと思う。そもそも、ロンダでもなんでもなく、立派な向上心の証左であり、誇りに思うべきだ。 
私の会社の新卒入社の同期に、中堅大から東大の院を出たという人がいたが、とても優秀で素晴らしい人だった。 
 
## 
## [ミドル・バックオフィスからフロントオフィスに異動できるか] 
## 
 
できる。自分も含めて実際に異動した人を何人も見てきた。行きたいポジションが見つかったら、求められているスキルを勉強して習得して面接を受ければよい。 
 
## 
## [浪人や留学をしていて年齢が周りよりも高いが、マズイか] 
## 
 
(よほど変な理由でない限り)全く問題ない。20代なら皆同じである。大学受験で浪人したり、留学で卒業が1年伸びたり、転学したり、留学生なら日本に来てから1年語学学校に通ったり、その分周りの学生より多く苦労や経験を重ねていて人間的な深みがある人を何人も見てきた。実際に、モルガンの新卒の社員で27歳の同期が数人いた。後輩で28歳という人もいた。 
 
## 
## [新人教育はどのように行われるか・充実しているか] 
## 
 
(2012年当時の情報である) 
内定者に「証券市場入門」の簡素な教材が送られてくる。また、部門によっては内定者の時に、希望するものに対して、1ヶ月ほどの海外語学研修に送られる。 
 
入社後は、最初に2~3週間ほど全部門共通の人事研修がある。ここでは、社会人マナー(名刺交換、メールの書き方、エレベーター内の立ち位置など)に加えて会社の事業概要や具体的な知識(損益貸借表、債権数理など)を学ぶ。とてもとても初歩的な内容である。また、会社の理念に「社会に還元する」とあるので、孤児院にいってボランティア活動をする日があった。また、東京証券取引所に見学にいく日もあった。その他にも、グループ・ディスカッションやプレゼンの研修もある。 
 
その後、(一部例外もあるが)部門別の新人研修プログラムが用意されている。この部門別の研修では、より詳細な知識の習得を施すのが目的で、NYやロンドンに数週間から数ヶ月派遣される例もある。私の入社したIT部はNYに17週間研修があった。その伝統は今も継続しているようである。 
 
そして現場配属された後は、いわゆるOJTであるが、これは部門・チーム・上司によってケース・バイ・ケースで形態は様々である。素晴らしいチーム環境や同僚に恵まれ、日々 知識スキルを伝授され伸び伸びと成長する新人もいれば、意地悪な先輩に囲まれ放置されストレス社内政治に忙殺され、時間が経っても特筆すべき知識スキルが身に付かないまま切り捨てられてクビになる人もいる。 
 
## 
## [オススメの就活本はあるか] 
## 
 
私は就活生の時に「これさえ読めば絶対内定、面接テクニック」「人事が教えるESの書き方」のような本を何冊も読んだ。 
拝見した限り、外資就活ドットコムのような情報サイトにある無料記事以上のことは書いていない。 
 
「自分の原体験に基づいた志望理由を書く」「相手の目を見てハキハキ話す」「質問に答える時は、要点を整理して簡潔に話す」「分からない時は正直に分からないと述べる」等。そんな内容だ。 
 
フェルミ推定・ケース問題集、のような本は外資コンサルを受けるなら買う価値があるだろう。練習必須である。 
 
 
## 
## [有料ES添削サービスは効果的か] 
## 
 
個人的見解では、有料のES添削サービスは使う必要ないと思う。ESは友人や先輩に見せたり、OB訪問で見てもらえば充分だ。 
 
この手の議論には幾つかの観点がある。 
 
(1)「有料ES添削サービスを使用して本来の自分には書け得なかったレベルの高いクオリティの文章を提出するのはいかがなものか」という倫理的な観点。 
 
ES文章作成に他人の助けを使うことは明確に禁止されていないし、どこまでが「添削」でどこからが「ゴースト ライティング」なのかは水掛け論である。 
 
(2)「他人に金を払えば何かが良くなる」という他力本願なメンタリティ 
 
このカテゴリにあてはまる残念な学生が一定数いる。私の大学の同級生にもこのような人がいて、たいてい「50万円で4ヶ月でTOEIC900点台を目指す塾!」のようなサービスにお金をどんどん溶かし結局目標達成しない。まず、自分の頭で考え抜き、自分でなんとかしようという死力を尽くしてから、それでも足りないと思うなら、有料サービス業者を試してみればよいだろう。 
 
 
## 
## [英語はどのように勉強すればよいか] 
## 
 
英語圏に一定期間(1年以上)住むことをオススメする。 
 
## 
## [選考で落ちてしまった。どうすればよいか] 
## 
 
本当に行きたい会社があれば、数年後に中途採用で再挑戦すればよい。 
 
大学の先輩がグーグルの新卒採用試験に落ちて、別の会社で3年働いて、中途採用で再挑戦してグーグル転職に成功した。 
UBSのITで10年働いて、GSのITに転職した人を知っている。 
みずほのオペで3年働いて、モルスタのオペに転職した人がいる。 
モルスタのオペで5年働いて、GSAM(ゴールドマンのアセマネ部隊)のトレーダー職に転職した後輩がいる。 
 
このような例は枚挙に暇がない。向上心を高く持ち、こつこつと自分のスキルを磨くしかない。 
 
## 
## [三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券の違いは何か] 
## 
 
端的に、前者は三菱UFJ証券、後者はモルガン・スタンレー証券である。 
 
[詳細] 
 
まず、MUFG(MUFJでない)はMitsubishi UFJ Financial Groupのイニシャルである。 
MUFGの中に、銀行・証券・信託などの個別の会社がある。 
 
銀行は「三菱東京UFJ銀行」と呼ばれる。(2018年4月1日付けで名前を短くするために「東京」を略して「三菱UFJ銀行」に正式名称変更した) 
証券は「三菱UFJ証券」と呼ばれていた。 
 
モルガンは「モルガン・スタンレー証券」が日本法人として存在した。 
 
2008年の金融危機の時にMUFGがモルガンに90億ドル(約1兆円)出資して救済して、2010年からMUFGとモルガンは日本においてJoint Venture(合弁会社)という形で連携している。 
 
「モルガン・スタンレー証券」は「モルガン・スタンレーMUFG証券」に名称変更された。Morgan Stanley MUFG Securitiesの頭文字でMSMSとも呼ばれる。 
「三菱UFJ証券」は「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」に名称変更された。Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securitiesの頭文字でMUMSS(マムス)とも呼ばれる。 
 
資本提携はしているが、日常の業務では連携は(ほぼ全く)ない。要はMSMSがモルガンで、MUMSSは三菱である。 
採用活動も全く別で、MSMSはモルガン・スタンレーとして行う。MUMSSは三菱として行う。 
が、例外はIBD(投資銀行部門)である。MSMSのIBDはMUMSSに吸収されたので、モルガン・スタンレーの新卒採用でIBDに内定すると、配属はMUMSSへの出向社員という扱いになる。が、MUMSSに採用されてIBDに配属された社員とは指揮系統も給与体系も全く異なる。 
 
余談だが、厳密にはモルガンはMSMS 1つでなくて、モルガン・スタンレー・ホールディングスという日本法人の持株会社があり、その下に「MSMS」「MSキャピタル」「MSインベストマネジメント」などの子会社がある。部門や業務に応じて子会社のいずれかに雇われるという形式である。 
様々な子会社に分かれている理由は、特定の2部門は同じ会社に属してはいけない、といった法規制があるからである。が、就活生は気にせず「モルガン・スタンレー新卒採用」を受ければ良い。 
 
 
########################################### 
##       雑感 ~ 学生と話していて思うこと      ## 
########################################### 
 
## 
##  相手の肩書に必要以上にビビらなくてよい 
## 
 
「敬意を払う」のと「盲目的に萎縮・信仰する」のは別である。偉い人でも人間だから、間違った発言を(時には意図的に)するかもしれない。 
常に能動的に自分の頭で考えることが大切である。相手が教授や社長でも、もし客観的に論理的に疑問に思ったら質問・挑戦すればよい。 
 
立派な肩書の人がある日突然不正が発覚して逮捕される、というニュースをたまに見かけるだろう。外資金融でも「シニア・エグゼクティブ・ディレクター」から「犯罪者」までいとも簡単に転げ落ちる。肩書など脆いものである。だからビビる必要はない。例えば、究極的には、マクドナルドやスタバでバイトしても「元外資系企業」という経歴になる。 
 
## 
##  就活では御祈り・周りの結果を気にしなくてよい 
## 
 
面接官との相性が合わなかった、ライバルが超絶優秀だった、様々な理由により、落ちる時は落ちる。また、どんなに優秀でも「この子はこの仕事・会社には性格向いていない」と判断されて落ちることもある。むしろ、その場合は落ちて良かったと思ったほうがよい。 
 
スポーツの世界に例えると分かりやすいのではないか。香川真司はドルトムントで大活躍したが、マンチェスター・ユナイテッドではモイーズやファンハール監督から評価されず散々な状況で退団した。チーム・監督によって全く異なるサッカー・戦術をするので、自分がフィットするチーム(会社)に就職するのはとても大切である。 
 
## 
##  就活の情報は氾濫している 
## 
 
かならずしも正確といえない情報を発信している人や記事・ブログもあるから、注意して咀嚼する必要がある。 
「キャリアコンサル」「就活コンサル」と自称している人でも、自分が経験した特定の業界や会社で得た偏った考え方や価値観を、あたかも社会人の普遍的な「常識」として堂々と講釈する人もいる。有料だからといって良いとも限らない。 
 
外資証券会社の総務部(アドミン)で、会議室の予約管理、コピー機の紙の補充、清掃業者の管理、といったいわゆる庶務の仕事をしていた人が「元外資金融マン」という肩書で、堂々とキャリア講座や就活本を出していると聞いたことがある。 
 
## 
## 「ポジティブ思考」と「自分に都合よく物事を解釈する」のは違う 
## 
 
自分の支配の範疇の外のことは一切気にしないほうが懸命である。逆に、自分にできる範囲のことは努力を妥協してはいけない。 
 
 
################### 
##   book list   ## 
################### 
 
[入門書] 
細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 「日本」経済編 
細野真宏の経済のニュースがよくわかる本 「世界」経済編 
金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 
藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 
 
[ケース面接対策] 
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート 
東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」 
 
[黒木亮] 
巨大投資銀行(上) 
巨大投資銀行(下) 
 
トップ・レフト - 都銀vs.米国投資銀行 
 
獅子のごとく 上 (小説 投資銀行日本人パートナー) 
獅子のごとく 下 (小説 投資銀行日本人パートナー) 
 
トリプルA 小説 格付会社(上) 
トリプルA 小説 格付会社(下) 
 
[Michael Lewis / マイケル・ルイス] 
フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち 
世紀の空売り - 世界経済の破綻に賭けた男たち 
 
[Moneky Business] 
ウォールストリート投資銀行残酷日記 ― サルになれなかった僕たち (IBDの新卒の生態が描かれた有名な本) 
Monkey Business: Swinging Through the Wall Street Jungle(英語原著) 
 
[洋書] 
Broken Markets: How High Frequency Trading and Predatory Practices on Wall Street Are Destroying Investor Confidence and Your Portfolio 
What Hedge Funds Really Do: An Introduction to Portfolio Management 
  (ジョージア工科大学のコンピュータ・サイエンス学科の教授からJPモルガンMDになられた人の入門書。私はジョージア工科大学の社会人学生としてこの人の授業を履修した) 
Active Portfolio Management: A Quantitative Approach for Producing Superior Returns and Selecting Superior Returns and Controlling Risk 
  (有名な教科書。全てのポートフォリオ運用の本はこの本と比較評価される) 
 
 
###################### 
##    disclaimer    ## 
###################### 
 
ここに記した内容は全て個人の意見であり、所属した組織の意見ではない。 
 
feedbackは @knxnt へ。 

  1. 2019-01-31 22:24:02 |
  2. Category : misc
  3. Page View:

Google Ads