kenics.net

Technical notes on perl, python, php, sql, cgi, c/c++, q/kdb+, unix/shell, revision control tools, data structures & algorithms, and their applications into web services and other various forms of software engineering.

外資金融 就活ストーリー

作者: @knxnt 
 
##################################### 
##       外資金融 就活ストーリー       ## 
##################################### 
 
## 
##  はじめに 
## 
 
2010年、私は22歳・大学院1年生、新卒就活戦線の真っ只中にいた。 
 
会社説明会、座談会、OB訪問。夏季・秋季・冬季・春季のインターン/ジョブ。本選考でのWebテスト、ES書類、筆記試験、グループ・ディスカッション、グループ面接、個人面接。 
全てが必死だった。 
 
大げさな表現だが、いよいよ「学生」から「社会人」になると思うととても緊張した。ここでどのような職業に就くかは、まさしく今後の人生をどのように過ごすかの重大な選択である。と、深刻に捉えていたのだ。 
 
そもそも学生には就職活動の他に、本業である学業活動や、サークル・部活・バイト等のコミットメントがある。これらと本格的な就活を両立させるのは多忙を極める。 
当時の私は大学の研究室で無線工学の実験をしてアメリカの学会に論文を提出しようと打ち込んでいた。また、塾講師のバイトで受験生たちの指導をしていた。 
 
昼間は大学でひたすら実験をして論文を書く。夕方からは塾で過去問指導。夜にヘトヘトになって帰宅して寝る前に頭を切り替えて「さて自分はどのような職業に就きたいか・どの会社に入りたいか」という大事な決断について考えるのは、とても精神力を消耗する。 
 
後から振り返れば全て明らかであるが、渦中の人間にとって未来は暗闇であり、就活には「漠然とした不安」が常につきまとう。当時はリーマン・ショック後の世界不況による就活氷河期で、総じてとても憂鬱な日々だった。 
 
最終的にモルガン・スタンレーという米国証券会社に入社した。 
 
入社後は「採用する側」として、説明会でプレゼンしたり、座談会イベントに参加したり、そして、インターンや新卒の(グループ・個人)面接に関わってきた。中途採用の面接も担当した。 
 
また、社会人として、多くの学生からOB訪問や進路相談を受けてきた。 
 
時には、「明日御社への提出期限の英語ES添削してください!」や「御社の面接の予想質問と用意した答えのレビューしてください!」というような学生もいる。私はできるだけ対応するようにしている。 
人として年齢を重ねるにつれて、何らかの形で次世代の若者に寄与したいという気持ちがある。社会人にとってたった30分の簡単な会話でも、就活生にとっては貴重な情報・判断材料になって、大いに感謝されることが多くある。気分は一種のボランティア活動だ。 
 
しかし、時間の制約で、現実的に個別対応できる人数に限りがある。 
 
そこで「自分の体験談や考えたことを、Web記事に残すことで、より広く後世の就活生の役に立てるのでは」と思い、以下に記すことにした。 
 
私が就活した時から年月が過ぎており、現在の学生に当てはまらない部分もあるかもしれないが、もし若い人の気迫に訴えるものがあれば幸いである。 
 
 
########################## 
##      自己分析(笑)      ## 
########################## 
 
就活における、はじめの一歩、として語られる自己分析。 
「自己分析」という魔法の言葉に迷走している学生をよく見かける。 
 
就活という文脈における自己分析とは、要は、自分が「好きなこと」と「向いていること」の交わる部分にあたる仕事を見つける作業のことである。 
 
好きなこと == 興味・情熱 
向いていること == 才能・適性 
 
と換言してもよいだろう。 
 
明確に「好きなこと」が思いつかない学生は「嫌いなこと」から消去法で見つけていっても良い。 
「向いていること」は、自覚している範囲で「得意・苦手なこと」が分かるはずだし、自分をよく知る友人や先生に尋ねてみてもよいだろう。 
 
上記の作業をした上で、当てはまる業界・会社がある程度定まったら、インターンや本選考を受けて、内定が出た会社から1つを選べば良い。 
 
よくある悲惨な例は、優秀な東大生が、中高大の受験ゲームの延長の感覚で、就活ゲームで(当時は)最高偏差値的な扱いを受ける「外コン・外銀」を目指してしまう例。こういう東大生は実際にとても優秀だから周到に準備し、内定するのだが、1,2年ですぐ辞めてしまう。東京の外資金融の新卒採用の10~20%くらいはこの例に当てはまる気がする。好きでないことは続かない。 
 
今やりたいことが明確に見つかっていなくても心配ない。ただ、常に考え続けるプロセスさえ維持しておけば良い。 
実際に社会人として働いてみてから「好きなこと」「向いていること」が新たに見つかるかもしれない。それは自然なことだから、その場合は転職すればよい。こういう転職は長期的には健全なことである。 
 
## 
##  我が華麗なる自己分析・・・ッッ! 
## 
 
実は、就活生の当時、自己分析という言葉をてっきり勘違いしており、くだらないアンケート形式の質問に答えていくと「あなたは〜〜の仕事に向いています!」と教えてくれる「星占い」のようなものかと思っていた。なので、全く自己分析しなかった。 
 
偶然、身近に学生寮の1学年上の先輩で野村証券のグローバル採用枠(リーマン・ブラザーズを吸収後に作られた外資系の雇用体系の採用枠)で債権トレーダー職に内定した人がいた。この先輩から就活の話を聞いているうちに、「外資金融はカッコいい」と感化されてしまった。 
 
「年功序列と関係ない、能力と成果に対する報酬体系」の外資系投資銀行に入りたいと思った。とても短絡的である。 
 
 
############################### 
##      業界分析・企業分析      ## 
############################### 
 
会社のWebサイトを読んだり、外資金融の就活ブログを読んだり、説明会に参加したり、OB訪問したり、先輩や社員からオススメされた本読んだり。 
 
また、日経新聞を毎日読んで興味のある記事を切り取ってノートにまとめ、自分の考えを書き留める訓練をした。すると例えば、上場企業の四半期ごとの売上発表と株価の関係、日銀の政策発表と長期金利の関係、アメリカ政府の雇用統計発表で市場がどう動くとか、継続的に毎日読むことで見えてくる経済動向がある。 
 
それ以上のことはしていない。 
 
当時は、外資就活ドットコム、というサイトが黎明期で、まだ大してコンテンツもなかった。興味のある業界・会社の選考情報は、就活体験談を書いてる個人ブログをグーグル検索して見つけて読む。学校の先輩で自分が志望する会社の選考を実際に受けた人を見つけて会いに行く。くらいしか情報がなかった時代だ。 
現在の学生は、外資就活ドットコムや類似サービスが充実していて、情報にとても恵まれている。 
 
様々な就活本も読み込んだ。個人的意見では、「絶対に内定する面接テクニック!」「内定者たちのES 100例!」みたいな就活本は、極めて基本的なことしか書いてなくて、特別な示唆や発見は無かった。本屋でパラパラとページをめくって、自分に必要だと思ったら買えば良い。 
 
本当にお金を払う価値があるのは、フェルミ推定の問題集とか、藤巻健史の金融マーケット入門、板谷敏彦の金融の世界史、のような、就活と関係なしに訓練・勉強になる本である。 
 
「これを知っていれば内定」などという知識は無いので、興味を持ったらとことん知的好奇心を満たすように調べて吸収すれば良い。例えば、証券会社に興味があるなら、経済指標・インデックスや、または(国債やオプションの)金融商品の価格がどうやって算定されているか調べたり。東証のWebサイト読んで、どういうルールで取引所が運営されているか学んだり。あるいは、興味のある会社の社長の経歴とか。何でも良い。 
 
フロント・ミドル・バックオフィスの区分や直接金融・間接金融の区別など、基本的な知識をこの段階で得た。 
 
最終的に入社することになるモルガン・スタンレーは、かつてJPモルガンと同じ会社だったが、1933年のグラススティーガル法により銀行業務と証券業務が分離(証銀分離制度化)され、2つの会社に分かれた。というようなトリビアな豆知識もこの時に得た。 
 
## 
##  外銀や投資銀行という呼称と定義 
## 
 
以下の単語は全て広義の同義語である。 
 - 外資系投資銀行(外銀) 
 - 外資系証券会社 
 - 外資系金融機関 
 
投資銀行というのは、Investment Bankの直訳である。対照にあるのが商業銀行(Commercial Bank)であるが、前述の証銀分離制度は90年代に活発化した規制緩和の末に撤廃され、今では1つの会社が両方の業務をやっていることも多い。そもそも「投資銀行」と言わずに、昔から日本に定着している単語で「証券会社」といえばよいのだが、「投資銀行」という言葉は響きがカッコいいから、一部の人たちが使っているうちに定着してしまった。 
 
## 
##  証券会社の組織体系 
## 
 
一般的なInvestment Bankの中には、以下の代表的な区分がある。 
 - 投資銀行部門(IBD) : Primary market, 発行市場とも呼ばれる 
 - マーケット部門    : Secondary market, 流通市場とも呼ばれる 
 
上記の2部門はチャイニーズ・ウォールと呼ばれる分断が徹底されていて、社内で物理的に別々のフロア、またメールやチャットも通じないようにITインフラ制御されている。 
 
IBD部門では、カバレッジ(案件のオリジネーション・営業)とプロダクト(案件のエクセキューション)に分けて、さらに専門の業界セクター(FIG, TMT, GIC等)に分けて人員配置されている。IBD社員はバンカーと呼ばれ、M&A、債権発行(DCM)、IPO(ECM)、その他諸々の案件(ディール)に取り組む。 
 
マーケット部門には、株式・債権・為替・調査部のような区分がある。また、株や債券といった「商品」的な区分の他に、「役割」的な区分(トレーダー、クオンツ、セールス、アナリスト、等)で語られることも多い。因みにマーケット部門は資本市場部門とも呼ばれる。採用の際は1個の部門としてではなく、「株式部」「債権部」「調査部」がそれぞれ独立して採用活動することが多い。調査部はリサーチ部とも呼ばれる。 
 
更に、上記以外にも、証券会社の中には、独立したリスク管理部門やアセット・マネジメント等の部門がある。そしてHR(人事部)、監査、法務・コンプライアンス、オペレーション、ITなどの部門がある。が、ここでは深く触れない。 
 
上記のプライマリ VS セカンダリの構図以外にも、証券会社の組織体系は「フロント・ミドル・バック」という構図で説明されることもよくある。 
フロントは直接的に利益を生み出す部門を指す。「プロフィット・センター」とも呼ばれる。IBDもマーケット部門もフロントである。 
ミドルとバックは、直接的に利益を生み出さない部門の総称で、「コスト・センター」とも呼ばれる。 
 
## 
##  外資系金融機関 
## 
 
外資系金融機関という単語は、広義の外資の金融事業の会社を全て含む。例えばアフラックやプルデンシャルのような保険会社、さらに証券会社(sell side)と区別してbuy sideと呼ばれる資産運用会社(または事業会社の中の財務部門)やヘッジファンドも含む。年金運用機構や大学基金などもbuy sideの典型例である。 
 
因みに、外資ではないが、日本では農林中央金庫という、全国の農家の預貯金約80兆円を運用している世界的に見ても超巨大ヘッジファンドがある。海外ではNochu Bankとして高名。 
外銀の東京支店に入って、アメリカで作られた金融商品を日本の顧客に売る仕事よりも、日本の農家の預貯金80兆円を世界の市場で有価証券投資する仕事のほうが、よっぽどグローバルである。 
(と思って農中の会社説明会に行ったのだが、ウルトラドメスティックな雰囲気であり、かつ配属先は選べない、とのこと。結局 選考に申し込まなかった) 
 
## 
##  外資金融のIT部門 
## 
 
外資金融において、IT部門はテクノロジー部門とも呼ばれる。ゴールドマンやJPモルガン規模の会社だと、IT部門には数千人単位の社員がいる。NTTやCiscoにいるようなネットワーク インフラ エンジニア。Google/Amazon/Apple/Microsoftにいるようなソフトウェア プログラマ。オラクルやIBMにいるようなデータベース スペシャリスト。といった、多種多様のIT技術者がいる。転職においても、それらのテクノロジー会社との人材の往来が盛んにある。 
 
対照的に、(一概には言えないが)日系の金融機関のIT部門では、自社でソースコードをプログラミングする仕事よりも、外部ベンダーに発注/アウトソーシングして、その進捗管理をする、いわゆるプロジェクト・マネージメントの特徴が強い。この場合の外部ベンダーとは例えばNTTデータ・NRI・アクセンチュア・SAP・TCSなどである。 
 
 
############################# 
##     就活時のスペック      ## 
############################# 
 
- 慶応SFC 
- 帰国子女(TOEIC 950, 英検1級) 
- 学部3年時にアメリカ交換留学 
- 無線工学の研究で、卒論と修論をそれぞれIEEE国際会議で査読付きコンファレンス論文を筆頭著者として発表 
- プログラミングはまぁまぁ得意 
- インターン経験:マッキンゼー、NRI (野村総合研究所)、NTT、その他諸々 
- バイト経験:塾講師、大学寮のRA (resident assistant)、大学の授業のTA(teaching assistant) 
 
 
採用人数が少ない外コン・外銀では、採用担当の人数も少なく、学歴/Webテスト/TOEIC点数等による足切りがある。 
内定者の半数は東大、残りの半数は京・東工・一橋・早・慶・旧帝大・海外大だ。(外銀は)毎年約1人バックオフィスにOutlier的にMARCHがいることがある。という具合。だから、慶応というのは限りなく底辺学歴だ。また、英語をデキるのは当たり前で強みにならない。留学・インターン経験も当たり前。 
私が唯一客観的に強みとして誇れたのは、大学の研究室での成果として海外の学会で論文発表したことである。 
 
(因みに学会発表といっても、例えばメーカーや通信会社の研究所を受ける場合、応募してくる学生は皆が何らかの研究実績があるので、大して強みにならない。が、外コン・外銀の新卒採用では文系の応募者も多いので、理系の研究成果があると強みとして捉えてくれる。人は珍しいものに興味を持つ) 
 
 
##################################### 
##      採用・選考プロセス - 概要      ## 
##################################### 
 
ほぼ日系企業と同じ。以下のような流れ。 
 
- 夏・冬のインターン (mustでないが、参加すると本選考に有利である) 
- 説明会 
- ES提出 
- 筆記試験 
- グループディスカッション 
- グループ面接 
- 個人面接 
 
 
「総合職」「一般職」といった区分の伝統的な日系企業と異なり、外資証券は完全に部門別採用である。IBD、マーケット部門、調査部、証券管理部、IT部、リスク管理部、HR、ファイナンス部、など。 
 
就活生と話をしていると、どうやら最近は、日系企業も徐々に部門別採用をする会社も増えているようだ。 
 
 
###################### 
##     インターン     ## 
###################### 
 
見聞を広げるために、いろいろな会社を受けた。 
 
が、前述の債権トレーダーの先輩の影響で、金融業界を多めに受けた。 
 
## 
##  Daiwa Securities / 大和証券キャピタルマーケット 
## 
 
最初に受けたのは大和証券キャピタルマーケットの夏の長期インターン選考試験。基本的にインターン生にはその後の本選考で内定が出るという、有名なプログラムだ。 
書類選考を通過して、グループディスカッションに参加。周りの学生は、理系も一部いたが、やはり経済学部・法学部という人が多かった。 
 
グループディスカッションは、先輩の体験談や就活ブログによれば、「時間測る役」「メモを取る役」「最後に代表して結論を発表する役」等を率先して名乗り出るとリーダーシップ発揮しているとみなされポイントアップ、とされる。また、空気を読んで議論に賛同したり付け加えたり「チームプレーヤー」であることをアピールすると良い、とも。 
 
とても緊張した。。議長の役割の学生から話を振られても、焦ってしまい、なかなかうまく思ったことを発言できず。とにかく緊張した。 
 
30分の時間が与えられて、資料分析に5分、ブレイン・ストーミング議論に15分、まとめ作業に5分、発表準備作業に5分。という具合に頭の中では理解しているのだが、緊張してしまうと、あっという間に時間が過ぎてしまった。3分くらいしか経っていないと思っても、すでに15分経っていた。すると余計に焦る。あわわわわ、という調子であった。 
 
対照的に周りは皆とても「慣れ」ている感じでスムーズで、、全く手応えなく終わった。結果は、やはり落ちた。 
 
しかし、とても貴重な経験になった。「Webで登録してES書いて提出して、当日は登録したページを印刷して、スーツを着て大手町に行く」という、後に幾度も繰り返す動作を初めて経験し、さらにグループ・ディスカッションという初の実戦経験を積めた。これが本選考でなくて本当に良かった。笑 
 
 
## 
##  Mitsubishi UFJ / 三菱UFJ銀行 
## 
 
次に、MUFJの夏季インターンに申し込み、これも書類選考は通過して、グループ・ディスカッションまで進んだ。事前の通知で「当日はぜひ私服でよいです」ということだったので、悠々自適にTシャツとジーンズで行ったら、周りは全員スーツで、なかなか恥ずかしかった。今回は、やや落ち着いて、全体を見渡し、割とスムーズに議論に参加できた。最後はまとめ発表にも参加して、手応えは充分であった。が、落ちた。 
(落ちた立場でこう言うのも恐縮だが)周りの学生を見た感想では、中堅大の学生も多く、能力も玉石混交、これなら自分にも太刀打ちできる。充分にチャンスはあると思った。 
 
グルディスの前後に、MUFJの社員(厳密には「行員」と呼ぶ)による座談会があった。そこで10年目の社員が「皆さん、就活とは、大学卒業後の仕事を探す活動です。これは本質的には、自分が何をして生きていきたいのか考える活動のことです」という話をしていた。その胡散臭い言葉が、私の心に響いた。この本質的意義・目的に則って就活をするのは大切である。 
と、言葉や概念としては理解していても、いざ就活をしだすと、不安や臆病から本質とハズレた行動を取ってしまうものである。例えば、明らかにトレーダーの仕事に興味があるのに、「セールス職のほうが内定の難易度が低い」と聞いて全く興味のないセールス職に応募してしまったり。 
 
それまでの私の就活メンタリティは、中高大の受験レースの延長線上で、「できるだけ名だたる大企業に入って、できるだけ出世して高給をもらう」という、当時の流行りの言葉で「勝ち組」になることであった。しかし、そもそも自分は何がやりたいのか(やりたくないのか)、もっと真剣に考えねば、と目が覚めた。 
 
また、座談会で会った若手社員に「この会社に入った志望理由を教えてください」と聞いたら、 
 
「俺は大学でラグビー部の主将で、1年生の時からレギュラーで全国的に活躍していた。が2年生の途中で大きな怪我をして半年間プレーできない時期があった。でもチームの練習や試合に帯同し、サポート役として働いた。この時に、スポーツチームというのは、レギュラーの選手以外にも、常に準備を怠らないバックアップのメンバーや、運営を支えるスタッフや、資金援助してくれるOB組織やスポンサー企業など、本当に様々な人たちに支えられて成り立っているということが身にしみた。MUFJのような日本を代表する銀行で、さまざまな日本の企業を支える役割を担う法人営業の仕事をしたいと思った」 
 
という、よく出来たストーリーを語っていて、とても勉強になった。 
 
なるほど、就活とは、こういうストーリーを組み立てて論じていく一種の競技である(少なくともそういう側面もある)。と思った。 
 
なお、MUFJは理系の学生を対象に、ファイナンシャル・エンジニアリング(FE/金融工学・クオンツ)の冬期インターン(期間は1週間くらい)も募集していた。これは審査が書類選考だけで、運良く通過した。書類審査では大学での研究内容を詳細に記す欄があった。インターンは、モンテカルロ法などを用いてデリバティブの価格評価するモデルを実装する、みたいな典型的な内容と聞いた。しかし、残念ながら他社の面接と日程が重なってしまい、断念・辞退した。 
 
 
## 
##  Credit Suisse / クレディ・スイス 
## 
 
東京オフィスのIT部門で長期サマーインターンシップを募集していたので、書類提出したが、音信すらなかった。サイレントお祈り。儚い。 
 
 
## 
##  UBS 
## 
 
UBSは外資金融の中でも最も精力的に夏から説明会や座談会イベントを開催している。各部門のイベントに参加した。 
 
説明会・社員のパネルディスカッション/座談会のようなイベントは、進路を迷っている学生にはとても有益な情報源である。 
 
UBSのテクノロジー部門主催のイベントで、 
 
「私は日本のメーカーで働いていたが、年功序列で出世してマネージャークラスになると、プロジェクトや部下の管理の仕事ばかり。自分の手で何かを作るということが出来なくなった。外資金融のITならシニアマネージャーでも、手を動かしてプログラミングする仕事ができるから、この世界に転職してきた」 
 
「私は新卒でUBSに入って、仕事が忙しくて、ロイター通信に転職して、5年ほど休息して、UBSに戻ってきた。ロイターは外資証券で疲れた人が休息でいくには良い会社。また、一度外部に転職することで、初めて分かったUBSの良さがある。それは〜〜や〜〜なところ」 
 
のような話がたくさん聞けた。様々な社員のキャリア背景や業務の話を聞くことで、組織の雰囲気が見えてくる。また、どのような人柄の社員がいるのかも分かって、志望理由・ESを書きやすくなる。 
 
テクノロジー部門は長期サマーインターンを募集していて、申し込んだのだが、書類選考で落ちた。嗚呼。。 
 
 
## 
##  省庁インターン 
## 
 
霞が関の外務省で数週間のインターンをした。これは大学の事務室の掲示板に募集の紙が貼ってあって、書類で申し込んだら、インターン内定が来たというもの。 
 
霞が関では、多くの省庁でサマーインターンを雇っていて、現場の作業を体験できる。週に1度、全省庁のインターンを集めて座談会ランチがあった。皆の自己紹介を聞いていると、国1を取って官僚を目指す学生、が殆どであった。 
 
このランチの延長で、1度、平日の夜に官僚やインターンとの懇親飲み会があって参加した。居酒屋で和気藹々とした雰囲気で食事、お酒を飲みながらざっくばらんな話を聞けた。様々な省庁から参加した官僚の人々に、仕事のやりがいや、なぜこの仕事を選んだか、という質問をした。また、周りのインターン生にも、どんな考えで就活、進路選択をするか、という話を聞いた。 
 
大半の人が「日本の国家と人々の発展に貢献したい」という意志を心底から熱く語っていて、とても衝撃的だった。 
私には、サッカーの日本代表を応援する、くらいの人並みの愛国心はあるが、我が身を国家の発展のための仕事に尽くす、などという意志はあまりない。そもそも私には、「抽象的な枠組みで括られる集団」に対する愛というのが全くない。だから、慶応大学、とか、モルガン・スタンレー、といった所属した組織に対する愛もない。慶応には3万人以上の学生がいるし、モルガンにも約6万人の社員がいる。例えばモルガンの中には、尊敬すべき素晴らしい人が何人もいるが、後輩の心を傷つける嫌がらせや不毛な社内政治に全力を注ぐ性格の悪い人もたくさんいるし、女性へのセクハラや暴力でFBIから追及されたような軽蔑すべき人もいた。だから、その全てを無差別に内包するモルガンを組織として愛せない。 
 
どこの大学・会社・国籍だろうと関係なく、親しい仲間や友達が困っている時に助けてあげたい。また、たとえ同じ大学・会社・国籍でも上記のような嫌なヤツとは関わりたくない。そんな自分には、「公共の福祉」のために働く公務員という仕事は向かない。と感じた。 
 
それにしても霞が関にはいろいろな人がいる。同じ省庁・局・課・室の中にも、国1官僚・専門調査員やその他の様々な身分の人々がおり、それぞれが自分の人生観を持っている。インターンしてみて、様々な人に会って進路相談できたのは、とても貴重な経験になった。 
 
 
## 
##  Barclays Capital / バークレイズ・キャピタル 
## 
 
バークレイズ マーケット部門の長期サマーインターン選考。 
 
この頃になると、投資銀行部門(IBD)よりもマーケット部門のほうに興味があることが分かってきた。 
IBDバンカーは企業のIPO・社債発行・M&Aといった華やかな活躍の場があるが、日常業務はエクセルを使ったディール分析、パワポ資料作成だ。彼らは「クライアント」が相手の仕事だ。 
マーケット部門は、セールスはクライアント対応するが、クオンツやプロップ裁定トレーダーはアルゴリズムを考えてプログラムを書いて市場で株・債券・FX・デリバティブを定量分析してトレードして儲ける、等の、いわゆる「マーケット」が相手の仕事だ。 
私は後者に惹かれた。しかし、前者に興味を持つ学生も大量にいる。これはサッカーと野球のどちらが好きか、という質問と同じで、人によって答えは異なる。正解はない。 
 
書類選考を通って、グループ面接に進んだ。学生4人、面接官3人。 
面接官は皆5〜7年目くらいの社員で、質問は「なんでマーケットの仕事に興味あるの」「なんでゴールドマンでなくて、うちの会社なの?」「1分で自己アピールしろ」「自分を動物に例えるなら」といった一般的なもの。 
面接官の態度が凄まじく悪かった。圧迫面接といえばそうなのだが、とにかく怖くて意地悪。。今思うと、どの会社にも怖い人、意地悪な先輩はいるから大したことない。が、この時は萎縮してしまった。。 
 
このグループ面接で落ちた。結果通知を待つ間、もし通ってしまったらあんな社員たちとやっていけるか不安だった。笑。もしかして自分はこの業界に性格向いていないのかな、と思った。 
 
共に面接に参加した学生3人と帰りに連絡先交換した。 
1人は東大経済学部の男の子で、「自分を動物に例えろ」という質問に「ゴリラです!ウホウホ」みたいな一発ギャグで笑いを取った以外は特に見せ場はなかったが、通過したと後で連絡があった。 
もう1人の早稲田の男の子も、通過したと連絡があった。この人はとてもリラックスしており質問への受け答えがスムーズで面接に「慣れて」いるのがよく分かった。 
最後の1人の東大医学部の女子学生は落ちたと後で教えてくれた。 
 
これ以降は連絡しなかったので、このグループ面接を通過した2人がその後の個人面接を通過したかは知らない。 
 
当時の就活では、このように選考で隣り合わせた学生同士で気軽に連絡先を交換するのは自然なことであった。LINEなど存在しない時代で、Facebookも普及しておらず、携帯のSMSテキストメッセージである。就活が終わる頃には、100人くらいの戦友がアドレス帳に登録されていて、ほぼ全てが、1度会っただけで、顔も思い出せないし、2度と連絡することもない。 
 
 
## 
##  SMBC / 三井住友銀行 
## 
 
書類選考だけで合否が決まる 1dayインターンに参加した。実際の銀行業務を模擬した体験型グループワークのようなイベントであった。司会や運営もスムーズでとても楽しかった。 
最後にアナウンスがあり、今回の参加者から厳選して、追加の3dayインターンなるものが開催されるので、興味のあるものは申し込め、と。これに書類提出したが落ちた。 
 
SMBCは別途、冬期インターンもあって、書類選考とグループ・ディスカッションを通過して、グループ面接まで進んだが、そこで落ちた。 
学生5人のグループ面接で、営業職の面接官が「皆さん、学生時代に頑張ったことを教えてください」と尋ね、1人1人順番に答えた。 
 
殆どの学生が、「100人規模のサークルで代表でした!」「携帯ショップのバイトで売上トップでした!」みたいな、青春溢れる回答で、面接官は大いに満足している様子だった。 
私が「高周波のセンサーネットワークのプロトコルトンネリングによる仮想化の研究を頑張っている」という話をしたら、(もちろん小学生にも分かるような表現で説明したが)、面接官はとても不満な表情であった。 
 
この「研究頑張りました」のエピソードはこれまでに、OB訪問や、社員との座談会、等の就活イベントで話して受けが良かったので、かなり洗練した回答のつもりだったが、まぁ万人に受けるのは不可能だから仕方ない。あとでSMBCの先輩に聞いたら、「いやぁ、うちの面接官はとにかく体育会系が大好きな人が多いから、全く気にしなくて良いよ」と言われた。 
 
世の中には、村上春樹が大好きで、司馬遼太郎を大嫌い、という人もいれば、その全く逆の趣向の人もいる。 
就活偏差値が高い学生は、面接官・会社に合わせて自分の趣向を偽り「私、司馬が大好きです」と言って内定することができるが、そんな無理して内定しても、入社後に不幸な日々が待っているだけである。正直に受け答えして、内定してくれた会社に行くのがよい。 
 
 
## 
##  Merrill Lynch / メリルリンチ 
## 
 
SMBCと同じ、書類選考だけで合否が決まる 1dayインターンに参加した。 
 
午前はHRによる証券会社の組織や業務の説明会と、シニアマネージャーらしき人による業務紹介と、トレーディングフロアのツアー。観光気分であった。トレーダーのパソコン画面が6個もあって複雑なチャートを見ている姿が「カッコよく」見えた。まるで複雑なTVゲームでもしているような雰囲気だ。 
 
午後は金融マーケットのトレーディング業務を模擬体験できるワークショップ。講義の後に模擬トレードのコンテストがあり、上位者に表彰があった。 
当たり前だが、相場を読むのは実に難しいと痛感した。相場は人々の「予想」で動く。ということは市場参加者がどのような予想をするかを予想しないといけない。しかし、その予想は既に現在価格に織り込まれているかもしれない。EMHである。 
 
夜は立食形式で様々な部門から参加してくる社員との懇親会。 
 
具体的な知識も多く得られて、トレーダーやセールスの社員と話が出来て、とても勉強になった。 
インターン生も社員も外国人が多く、とても国際色ある職場だと思った。 
 
 
## 
##  野村総合研究所(NRI) 
## 
 
夏と秋に、同じ内容で2週間ほどのインターンがある。ES書類選考を通ったら、個人面接に呼ばれた。行くと、他の学生も待合室に多く待たされており、しばらくして自分の番が来て、30分ほど個人面談。質問は「学生時代に頑張ったことは」みたいな一般的な内容。こちらから質問する時間も与えられる。「やりがいはなんですか」というお約束の質問をしたら、「知識の増加、仲間からの信頼、客からの感謝、新しいビジネスの開拓」など、一般的なやりがいポイントを整理して教えてくれた。 
 
夏季インターン選考は個人面接で落ちた。後述するが、ここまで様々な会社の書類や面接でたくさん落ちた理由は、いつも一生懸命「正解」を答えようとして、素直に自分の体験に基づいた答えを言っていないからである。 
 
この反省点を活かし、秋季インターンで再度挑戦し、個人面接を通過し、グループ・ディスカッションに進んだ。資料を与えられて「現在〜〜な状況にある企業が、次に取るステップとして X や Y や Z の選択肢があるが、どれがベストか」みたいな典型的なお題である。 
 
この秋の時点では、数多くのOB訪問をこなし、様々な会社の説明会、社員との座談会、いくつかのサマーインターンに参加していた。その結果、就活という競技に「慣れ」きっており、もはやグルディスなど無双状態であった。 
 
「このお題なら議論の展開は〜〜か〜〜みたいな論調になるだろう。〜〜という主張する学生きっといるから、〜〜という質問して掘り下げてあげて、〜〜な誤解する学生は〜〜と言い換えてあげたら分かりやすくなる」みたいに瞬時に全てが展望できた。 
時間配分も余裕もって全体をガイドできて、自分がどこで何を言うか、それによって社員にどういう印象を与えるか、緻密に計算できるようになっていた。この場面ではこの発言で「協調性」、この場面ではこの発言で「リーダーシップ」の点数稼ごう、という具合に。 
まるで全てがスローモーションでゆっくり進んで行くように俯瞰できた。部屋の上部からのカメラで全体を見渡すように、精神に余裕をもって臨めた。無事にインターンに内定した。 
 
先述の大和証券のグルディスでの私の散々たるパフォーマンスを思い出してほしい。 
 
私が就活生に伝えられるおそらく最も価値のあるアドバイスは、とにかく場数をこなして、グルディスや面接の場に「慣れ」ることが大切、ということ。 
 
「慣れ」こそ「強さ」である。 
 
インターンは、実際の現場に配属されて、担当のメンターに与えられたミニプロジェクトに取り組む。SIer宜しく、クライアントの会社のシステムを設計構築、といった内容だった。 
 
NRIの印象は、とても優秀な社員が多く、インターン生もいい人が多く、好印象であった。かつては超絶激務で高給と名高い会社だったが、2000年台後半から労働時間を減らし(その分 給料も減るが)、ワーク・ライフ・バランスを求めた会社へと変化を目指しているとのこと。 
 
 
## 
##  McKinsey / マッキンゼー 
## 
 
「インターン」という単語の代わりに「ジョブ」と呼ばれる。書類選考、筆記試験、個人面接を経て、約1週間のウィンタージョブ参加。 
 
書類選考は、ありきたりのES。 
なぜコンサルタントになりたいか、という質問があった。大学の研究室で論理思考の厳しい訓練を受けてきた。複雑な問題を発見し解決するのは楽しい。コンサルも本質的には同じ仕事だと考える。ということを書いた。 
 
ESを通過すると筆記試験1次。 
事前にEメールで「このリンクにある問題を練習してくるように」と指示があった。 
当日は、数百人規模の大会場でGMATみたいな英語の論理・数理クイズを解いた。ここで大幅に削られるようだ。私の知り合いは皆ここで落ちた。 
 
筆記試験2次は本社オフィスに呼ばれて、「デジタル教科書のような教育のIT化・オンライン化することの利点・難点を多角的に議論せよ」のような典型的なケース問題の筆記試験。 
 
通過すると、次は個人面接。「リーダシップを発揮したエピソードを語れ」のような一般的な質問に加えて、フェルミ推定やケース問題。「個人経営の地元のコーヒー屋さんがスタバに駆逐されないためにはどうすればよいか」みたいな。MECEを心がけて分析・議論した。 
余談だが、面接官がこちらの履歴書を見てGPA(大学の成績)が高いことを真剣に褒めていた。へぇ、マッキンゼーは選考でGPAも一応見るんだ、と印象に残った。 
 
ジョブは、数人のチームに別れて、膨大な資料が与えられて、「〜〜業界の〜〜という(実在の)会社の経営へのアドバイスを考えろ」というもの。 
 
全てが壮絶だった。とにかく論理の勝負。ある意味、高度な屁理屈の喧嘩、みたいな。 
面接でもジョブでも、もし論理に少しでも隙があると、容赦なくガンガン理詰めで突っ込んでくる。また、同じくらい説得力のある意見が対立したときは、論理を超えた、ゴリ押しする強さ、が大切になる場面も体験した。 
 
コンサルの業務は、能力的な側面以外に、そもそも性格的な「向き・不向き」がある、と痛感した。 
 
シニア・マネージャーの方に「外資金融IBDとコンサルで業務的にオーバーラップ/競合する部分はあるか」と質問したら以下のように答えていた。 
 
「コンサルは基本的にアドバイスに対してfeeをもらうビジネスモデル。例えばM&A案件。コンサルは、分析した結果、クライアントにとってベストな選択肢として、M&Aするべきでない、という結論を伝えることもある。それに比較して、外銀IBDは案件の成功報酬として買収額のX%を得る、というビジネスモデルだから、本当に必要なくても大きなバリエーションしてM&A推奨する、というインセンティブが働く」 
 
周りのインターン生は、これまで見た中で最高峰の素晴らしい人材がそろっていた。感動した。社員も皆、味のある人たちが多かった。 
 
大学で「こ、こいつは頭の回転が速い!」という印象のクラスメイトがいると思う。そういうキレ者が選りすぐりで集められていた。 
 
 
## 
##  三菱総合研究所(MRI) 
## 
 
三菱総研である。書類/面接はごく一般的なもの。 
面接は、入社15年目くらいの人が、「面接」というより、気軽な「面談」で、こちらの興味や人柄をチェックする。「これまでに頑張ったこと・苦労したこと」「この業界で気になる最近のニュースは」といった質問だった。無事インターン内定した。 
 
秋季インターン生は20人ほどいて、2週間。配属先で業務体験する。 
私は政府向けの最新のIT技術の動向調査レポート作成、のような仕事をした。メンターの方が、丁寧に指導して教えてくれた。 
 
〜〜総合研究所という会社はいくつかあるが、MRIは「シンクタンク・調査」という特徴が強い会社であると感じた。知的な仕事であり、マクロな視点で物事を考えることのできるエキサイティングな仕事である。博士号を持っている人も多くいた。例えば、最新のクラウド技術のセキュリティに関する知見を得るために、学会に出張して聞いてくる、ということをしている人もいた。また、政府に出向する人もいるようである。人々は、総じてとてもギークで玄人プロ集団という印象。 
 
が、私は「最新のクラウド技術は、アマゾンは〜〜、マイクロソフトは〜〜、グーグルは〜〜、日本企業では〜〜」のような調査分析レポートを書く仕事よりも、実際にプログラミングをして、それらの技術を創り出す現場にいたい、と思った。 
また、MRIの会社組織に関しては、年功序列のオーラがとてもあった。また、三菱帝国の傘下の会社なので、序列の上の銀行から天下りのような形で社長や役員が任命されるというのも学んだ。 
 
 
## 
##  NTTコミュニケーションズ 
## 
 
春季インターン。書類選考・グループ面接・個人面接。 
書類選考は、一般的なESと同じ。 
グループ面接も個人面接も、「学生時代に頑張ったことは」「志望理由は」「NTTコムについて知っていることは」みたいな一般的な質問のみ。 
 
グループ面接で面白かったのは、「では、今 隣の学生が話した学生時代に頑張ったことについて質問してください」という質問があった。 
 
「慣れ」こそ「強さ」である。すべての質問が、これまでのインターン面接で何度も経験してきた質問であり、落ち着いてスムーズに自分のベストな答えをできた。 
無事にインターン合格した。 
 
インターンは、NRIと同じで、実際の現場に配属されて与えられたミニプロジェクトに取り組む。社員は、私が出会った範囲では、人間として素晴らしい人が多かった。技術知識も素晴らしい人に何人も出会えた。 
しかし、年功序列・社会主義な組織文化は、個人的には合わないと思った。なぜなら能力や成果で大して給料に差が出ないなら、究極的には「サボったほうが勝ち」という力学が働いて、私のような性格の人間はサボりの道を極めるだろう。とても非生産的だ。むしろ、いつクビになるかわからないようなハラハラ・ドキドキするような職場で切磋琢磨を強制されたいと思った。若い私には体力も気力も有り余っていたのだ。 
 
また、エース社員として活躍している10年目の社員から額面年収を教えてもらったら、外資金融での1年目の給料より低かった。お金が全てでないが、この差は無視できない。 
 
 
## 
##  インターン体験総括 
## 
 
・就活ブートキャンプ 
 
インターンの選考プロセスは本採用のプロセスを簡易化したものが多い。 
ES・Webテスト、グループ面接、個人面接試験のトレーニングが積める。 
 
上記のようなインターン・就活経験を積んだ学生と、インターン戦線を経験せずに春になって本選考で初めて就活の実戦を経験する学生とでは、戦闘能力に大きな差がある。 
 
・進路選択の判断材料 
 
業務体験は、進路選択の貴重な判断材料になる。 
私は、コンサル・省庁・シンクタンク・証券・SIer・通信インフラ会社とインターンをしてみた結果、やはり大学の研究室で取り組んだようなacademic/scientificな問題をプログラミングしてシステム作って解決することが好きだ、と気付いた。また、英語を使って様々な国籍の人と仕事をするのは楽しいと思った。 
これを満たす会社や業界は幾つもあるが、証券会社のトレーディングに関わるシステム開発の現場もその1つである。 
 
 
################################# 
##      ES / エントリーシート     ## 
################################# 
 
ESの話をしよう。 
 
## 
##  [金融業界/当社/当部門への志望理由を記してください] 
## 
 
以下の2点を書いた。 
 
  (1) 留学して視野が広がった。社会人としてグローバルな職場環境で働いてみたい 
  (2) 大学での勉強・インターン経験を通して、自分はプログラミング・IT技術が好きだと分かったから、その専門性・経験を積める仕事をしたい 
 
  OB訪問、会社説明会、社員との懇親会イベント、等を通して、御社のテクノロジー部門は上記の2点が満たされる環境である、と判断した。よって志望する。 
 
 
ありきたりだが、このくらいシンプルなのが分かりやすくて良いと思う。あとは具体的なエピソードを用意しておけば面接も充分。 
重要なのは、実際の体験に基づいて志望理由を導き出すこと。 
 
よくある初歩的なミスは、会社のWebサイトから切って貼り付けたような定型文を書いてしまうことである。 
 
例えば「銀行・証券会社は様々な事業会社や顧客の資金調達や投資判断をサポートするエキサイティングな仕事で、、、日本経済をダイナミックに支える潤滑油として、、貢献したい」みたいな紋切型の文章のESは、読んで5秒後に忘れ去られる。 
私が前述のとおりインターン選考で落ちまくったのも納得である。 
 
あくまで例として挙げると、同期で「スイス時計の博物館を作りたい。そのために莫大な資金がいるので、トレーダーとして稼ぎたい」という志望理由で株式部の自己勘定裁定取引チームに内定した人がいた。また、別の同期で「たくさんお金を稼いでアーリーリタイアしたい」といってマーチャント・バンキング部門に内定した人もいた。 
本来、志望動機はこのくらい生々しく正直なものだ。 
 
## 
##  [学生時代に頑張ったこと・自己PR/アピール・特筆すべき能力を記してください] 
## 
 
ゼミ/研究室で無線工学の研究に取り組み、学会発表(IEEE国際会議での査読付き論文投稿/採択)したことを書いた。 
研究を通して、難しい問題を考える力、言語化する文章能力、が鍛えられた、と。 
 
どの学生も皆、書くことは本質的には同じようなポイントである。 
 
「チームワーク」「リーダーシップ」「論理思考」「コミュニケーション能力」「人と話すのが好き」「コツコツと努力する性格」「〜〜の専門知識」etc。 
 
やはり、何らかの客観的に価値のある達成をしていると、言葉に重みがあり、説得力が増す。 
例えば、柔道を15年続けて全国優勝した人が、自身の体験と達成に基づいて「日々努力を継続することの大切さ」「己を客観視することの大切さ」を学んだ、と書いたら、それだけで超絶パワフルである。 
 
もし全国X位みたいな表彰を受けていなくても、書きっぷり次第で充分戦える。サッカーサークルで、リーダーとしていかに練習メニューを科学的に見直して、メンバーの特徴を活かした戦術の分析・構築を繰り返した、みたいなストーリーから力強い文章は作れる。 
 
スポーツでなくてもよい。例えば、塾講師バイトのストーリーでも、様々な生徒を指導する経験を通して考えたことがいろいろあるはずだ。複雑な内容を説明するスキル、効果的な勉強方法、やる気を鼓舞するコツ、さらには日本の教育のあり方への洞察。書きっぷり次第でパワフルに自分をアピールできる。 
 
有名なエピソードだが、資生堂に内定した男子学生の志望理由が「私は男で、化粧品は使わないが、妹が高校生・大学生になって、初めて化粧をするようになって、外面だけでなくて内面も綺麗な大人の女性へと変化・成長するのを見て感動した。化粧品が人に与える変化・成長・感動のビジネスに関わりたいと思った」という。巧みだ。 
 

#  [余談 ~  数字で示せ、という呪縛] 

 
巷の就活塾や就活指南本のせいで、「とにかく成果を数字で示せ」という呪文に掛かってる学生が多い。 
 
それまでより部員の練習参加率を10%上げた、とか、学園祭イベントの来場者が50%増えた、みたいな。 
 
例えばサークル部員なんて毎年入れ替わるから、年によって学生の種類次第で、自然な変動幅がある。過去の施策とその効果を、自然な変動幅、の要素を差し引いて比較評価する方法を構築しないと、自分の成果の客観的な評価にならない。 
 
イベント来場者数も、例えば、毎年の「天候」で大幅に変動する。また、そもそも、イベントの来場者数を増やす、というのが本質的に目指すべき価値のある評価軸なのか。しっかりと前提や背景を説明しないと、アピールに失敗である。 
 
「この数字とこの人の語る努力との因果関係は本当に有意な相関があるのか」「努力や取り組みは分かったが、それを測る評価軸はなんでこれなの?」みたいな突っ込みどころがある学生が少なからずいる。ただ単に数字を振りかざしても、論理の隙を埋めることはできない。 
 
採用が100人以上ある会社ならまだしも、全部門合わせても15~20人しか雇わない(各部門では1~3人程度の)外資金融では、キレキレのESを出さねばいけない。 
 
 
## 
##  [キャリア・将来の目標・展望を記してください] 
## 
 
短期的には、よく学び、会社が金儲けするのに貢献する。中長期的には、専門性を高めて、金融工学の発展に貢献したい、また次世代の優秀な人材を育てたい、的なことを書いた。 
 
具体的には「大学の研究室での指導教官が誰よりも優秀なのに誰よりもハードワークしているのを見て、人生観に感銘・衝撃を受けた。若者はこういう1人の先生・先輩との出会いでインスパイアされて、その中から次世代の人材が出てくることがある。長期的には次世代の若者をインスパイアできるような人間になりたい」ということを書いた。 
 
無難な内容を書けばよいと思う。あまりにも奇抜だったり、抽象的すぎて、ツッコミどころが多いと印象悪いだろう。 
中には、とても明確な将来の目標がある人がいるかもしれないが、会社や部門や職種に合わせて、発言を注意する必要がある。 
 
1つ印象的なエピソードを紹介する。 
 
学年1個下の後輩で、とても優秀な人がいた。彼はモルスタのITを受けて、最終面接まで進んだ。CTOに「将来の目標は何であるか?」と聞かれて、彼は「入社3~5年したら、〜〜の分野で起業したいんです」と夢を大いに語った。するとCTOから「俺は新卒採用で未来のモルガンのリーダーを採りたい。そんなすぐ辞めて他にやりたいことがあるなら必要ない」とその場で一刀両断に切り捨てられて、不採用、となった。 
 
一般的に短期目標の中に「会社辞める」があると印象は良くない。でもこの彼の回答はマッキンゼーやリクルートのような会社なら歓迎されていたかもしれない。そもそも、同じ答えでも、面接官によってポジティブ・ネガティブに反応が分かれることもある。究極的には個人の好き嫌いである。結局、彼はバークレイズに同じことを言って内定し入社して、数年後に計画通りに退職し、起業して、元気に活躍されている。 
 
 
## 
##  インターン経験 
## 
 
実際の体験に基づく志望理由は説得力がある。と前述したが、その最大の材料がインターンである。 
例えば、実際に外資系金融機関でサマーインターンして、〜〜な業務や〜〜な環境を体験して、働きたいと思った、と書けば、インターン経験ない学生と比べて説得力に雲泥の差が出る。 
 
会社によっては、インターンから自動・優遇で内定が出たりする。例えば、ATカーニーにインターンした同級生が、自動内定もらっていた。 
しかし、ゴールドマンでインターンして、とても良い評価をもらっていた慶応の優秀な先輩が、本選考では最終面接で落ちた。という例もある。 
 
会社によっては、インターンを広告活動の一貫として捉えていて、本選考とは全く異なる基準で、多くの大学から広く学生を集めるという趣旨のインターンプログラムもある。 
また、会社によっては「女性・マイノリティをもっと採りたい」という目標があったりする。Amazonを受けた後輩の女子が、リクルーターから電話で「あ、女性ですね。女子学生は積極採用したいので技術試験の合格ライン下げてます」と言われたと言っていた。 
 
俺は100%この仕事をやりたい、と決まっていないなら、せっかくだから、様々な分野のインターンを試してみるべきである。すると、自分が本当に興味のあること、自分が向いていること、自分が嫌いなこと、が少しづつ見えてくる。 
 
 
################## 
##     OB訪問    ## 
################## 
 
大学の先輩を中心に約15社のOB訪問した。 
 
「なんでこの会社を選びましたか」「どんなお仕事をされていますか」「5年後10年後の目標はありますか」といった質問に、実に多種多様な答えが聞けて、参考になった。 
 
例えば、三井物産の先輩から 
「他の総合商社は、書類選考やグループ・個人面接で、全部落ちた。すごく感触良かったのに落ちたり、感触悪くても通ったりした」 
「最初に入った部署は凄い楽しかったけど、今の部署は超つまらん、辞めたい。次の異動まで我慢の日々」 
というざっくばらんな正直なお話を聞けた。 
 
OB/OG訪問は、興味のある業界・会社の社員から直接お話を伺える貴重な機会である。多くの場合、快く対応してくれるので、大いに訪問して質問・相談すればよい。 
 
「お仕事のやりがいは?」みたいな、ふわふわした質問も良いが、「これ、御社に提出しようとしているESの文章です。読んでFeedBack頂けますか」「面接ではどんな質問をされて何と答えたか」みたいなストレートな質問も有効である。 
 
 
################## 
##      面接     ## 
################## 
 
「コミュニケーション能力」「リーダシップ」という魔法のキーワードを使わずに分析する。 
 
## 
##  グループ・ディスカッション 
## 
 
以下のような点をアピールできればよいだろう。 
 
1.「多角的な視点」  (周りが気づいていない観点からアイデアを出したり) 
2.「構造化・抽象化」 (たくさんアイデアが出てきたら、まとめてあげたり) 
3.「理解力」(例えばグループでAさんがBさんの発言を少し誤解していることにすぐ気づいて、別の表現で伝達してあげて誤解を解く、みたいな) 
4.「数字で考えられる」(例えば模擬的な経営判断の課題を与えられて、会社全体で〜〜円の赤字だから、この特定の事業の利益率を30%上げれば黒字にできる。みたいな数字感覚を持って思考できると議論にリアリティが増す) 
5.「人柄・性格の良さ」(これは面接官の好き嫌いや主観が大きく関わる) 
 
## 
##  グループ・個人面接 
## 
 
清潔感・礼儀をもって臨み、ESに書いてあることを落ち着いて・丁寧に・元気に・素直に・敬意を持って・論理的に伝えられれば充分であろう。 
 
たまに、なぜか面接とESと話のネタを変えてくる学生がいるが、基本的にESと面接の内容は一致したほうがよい。ESを読んで「この人に会ってみたい」と思われて面接に呼ばれているのだ。同じ話をすればよい。 
 
繰り返しになるが、志望理由は自分の原体験から論理的に導き出した説得力(熱意)あるストーリーであるべきだ。 
 
また、面接で意外に多いのが「え、その志望理由なら、目指すのは外銀じゃなくて XYZ の業界・会社がまさにやりたい仕事ができるじゃん!」という突っ込みどころがある学生。その通りに質問すると、上手く答えられなくて、そのままお祈りと相成る。 
 
 
## 
##  服装・礼儀作法・仕草・姿勢 
## 
 
いわゆる表面的な部分である。カリフォルニア大学の有名な心理学教授の「メラビアンの法則」によると、対人コミュニケーションのインパクトの「55%は仕草(視覚)、38%は声質(聴覚)、7%は言葉の内容による」とのこと。 要は93%は見た目と喋り方・声である。同じ内容でも、自信を持って毅然たる表情で、落ち着いた声のトーンで言うと印象が違う。 
 
スーツや靴カバン、髪型、等の装備を清潔・清楚に整えるのは当たり前。 
 
その他、私が心がけたこと。 
 - 常にメモ帳とペンを持って、相手の話を聞くようにした。 
 - 座るように指示があるまで、座らない 
 - 気合い入れて姿勢良く挨拶 
 
面接の前に、サークルやゼミや家族にリハーサルしてもらって、変な仕草がないかチェックしてもらうと良い。 
スマートフォンで自分1人リハーサルを撮影して見直すのも効果的だろう。恥ずかしいが、やるべきだ。 
特に、緊張すると変な仕草になる人もいる。例えば、難しい質問だと、ずっと下を向いて話してしまったり。 
 
また、相手の名前を覚えて言う、というのを実践している学生がいて印象が良かった。 
 
また「受付に行く前にコートを脱ぐ」というのも常識マナーらしい。(私は社会人7年目になるまで、全く知らなかった。。) 
 
 
######################### 
###       本選考       ### 
######################### 
 
## 
##  Goldman Sachs / ゴールドマン・サックス 
## 
 
テクノロジー部門を受けた。ES。グループワーク。グループ面接。個人面接。 
 
最終面接で落ちた。 
 
グループワークは、30人くらいの学生をグループに分けて、与えられたテーマを議論して発表・質疑応答するという形式。周りの学生は総じて優秀だと思った。 
ここで「優秀」というのは着眼点が議論の本質を捉えていて、論理的思考と言語化ができる、くらいの意味。 
 
グループ面接は、面接官2人がロジッククイズやコンピュータの基礎知識の質問をしてくる。ロジッククイズはオプションの価格算定方法とか。コンピュータの質問はカーネルとかL2キャッシュとかリレーショナルDBとか。 
 
最終の個人面接は、終日拘束されて、約6,7人と会った。いわゆるスーパーデー(Super Day)である。待合室は六本木ヒルズのGSオフィスの高層階の大きな会議室で、景色がとても美しかった。この待合室で他の学生と話す機会がある。ここまで来る人材は常連で、他の外銀でも最終まで進んでいる人たちが多かった。殆どが「東工大でOSの研究してます」「東大でグラフ・アルゴリズムの研究しています」という感じの理系学生。 
 
ゴールドマンの最終面接のロジスティクスは有名だ。朝から呼ばれて上記の面接を経て、ランチ時間になると、「それでは皆さん、ランチ時間なので外で食べて、1時間後に戻ってきてください。オフィスの外に張り紙で午後の選考に進む人の名前を掲示します」と指示がある。 
 
皆で仲良くランチして戻ってくると、オフィスの入口に張り紙が掲示されていた。無事に自分の名前を発見。しかし半数近くがここで消えた。朝から仲良くなった戦友が「あ、俺の名前はなかった。みんな頑張れよ」と引き痙った笑顔で去っていった姿が今でも脳裏に焼き付いている。悲喜交々。 
 
午後の面接ではアメリカ人やイギリス人の偉い人たちが出てきた。全部英語。「データの重複を数える関数を好きな言語でコーディングして」「ゴールドマンについて知っていることは?」「株式トレーディングシステムがどのように構築されているか、想像しうる限りをこの紙に描いて」「もしシステムに〜〜な問題が発生したらどうする?」といった質問だった。 
質問は決して難しくなかったが、あまり受けが良くなかった。論理の厳密さを気にしすぎて、発言をこねすぎてしまった。 
 
最後に、人事の担当者から「他社の選考状況を教えてほしい」と尋ねられて、この時点でモルガンとバークレイズの内定が出ていたので、そう伝えた。 
 
そして「皆さんお疲れ様でした。今日の最終面接の結果は、内定者のみに今日から1ヶ月をメドに連絡します。お気をつけてお帰りください」と。なんと鬼畜な!笑。そんな長い期間を待たせ、さらに内定者のみに連絡するとは、ゴールドマンの組織体質が表れている。と感じた。が、これには理由があって、内定を出しても断る学生もいるから、それから繰り上げ内定の学生に連絡すると、最終面接から数週間後になってしまうのだ。また、落ちた学生は用無しだから連絡するなど時間の無駄と思っているのだろう。この業界でよくあるメンタリティだ。 
 
モルガンやバークレイズから内定受諾するか否かを2週間以内に回答してくれ、と言われており、それまでに結果を教えてもらえないと困る。と1週間後に人事の担当者にフォローアップ連絡したら、数日後に御祈りのメールが帰ってきた。残念。 
 
ここで勝ち残った内定者のうち2人は、どちらもモルガンからも内定出ている人たちだった。彼らは結局ゴールドマンに入社した。1人は東大院生の中国人留学生で、もう1人は東工大の院生でベトナム人留学生。能力も人格も飛び抜けて素晴らしい人たちだった。 
 
 
## 
##  Morgan Stanley / モルガン・スタンレー 
## 
 
テクノロジー部門を受けた。 
 
ES。説明会。グループワーク。筆記試験。グループ・ディスカッション。グループ面接。個人面接。 
 
説明会では、有名な「名刺を渡す」セッションがある。これは、モルガンの恒例行事で、以下のような流れである。まず、説明会の会場に着くと、受付で、自分の名前と大学名が入った簡易的な名刺を10枚ほど渡される。社員による各部門の説明プレゼンが終わった後に、「では各部門から社員が5,6人会場に入りますので、今から30分間で、興味のある部門の社員たちに話しかけて、名刺を渡してください」というイベント。当然、自分の第一志望の部門に重点的に名刺を配りに行かないといけない。 
 
就活生の間では「たくさん渡すと点数が上がる」という噂もあるが、私の知る限り、そのようなルールはない。焦っていると、駅前の広告チラシを配る人のように、挨拶して名刺を押し付けてそのまま去るような学生もいる。とても印象悪くなる。私はテクノロジー部門の社員に順番に話しかけて、自己紹介して、簡単な質問をした(なぜこの会社に入りましたか、どんなお仕事をしていますか、みたいな)。そして、会話の終わりに、ありがとうございました、名刺渡しても良いですか、と聞いてから渡すようにした。 
 
学生の数のほうが社員の数より多いので、1対1で社員を専有できる状況は無く、常に社員1 vs 学生5、くらいの構図。既に他の学生が話しかけてそれに答えている社員の周りに学生が寄ってくる、というパターンが多く、そうすると、5分話を聞いても、名刺を渡すタイミングが無いこともある。結局、合計で3枚しか渡せなかったが、この3人は必ずポジティブなフィードバックをしてくれる、という実感があった。 
 
グループワークは、仮想的なビル建築プロジェクトの課題が与えられて、このマッチ棒とテープを使って模型の建物を作れ。のようなお題だった。何人かの社員が審査員として見ているので、計画を説明しながら進めろ、と指示があった。実際に工作作業があると、時間配分が大切である。 
 
順調に皆で組立作業していたら、途中でいきなり、「皆さん、クライアントからの突然の計画変更です。全く別の仕様の〜〜な建物を作ってください。制限時間の延長なし」みたいな指示が入った。ビビった。とても焦った。 
 
面接官は、こういう予期せぬ事態への対応を観察して、考え方や性格を評価しているのだろう。 
 
筆記試験は、採用コミッティーが手作りのロジック・プログラミング・数学の問題。決して難しくないが、情報科学専攻でないと苦戦する学生がいたかもしれない。temporary変数を使わずに変数AとBの中身をSwapしろ、という典型的な問題があったのを覚えている。あとは簡単なオブジェクト指向プログラミングや線形代数の問題もあった気がする。 
 
グルディスは、地球温暖化をどう対処するか、という話題に関して簡単な資料が与えられて、議論して発表するというもの。その後に、面接官との質疑応答。 
 
最終個人面接は、朝から呼ばれて一日拘束される。約7,8人に会った。日本語と英語と半分ずつくらい。最後はCTOが出てくる。みな紳士的な人々だった。 
質問内容は至って普通。「学生時代頑張ったことは」「なんでこの業界に興味があるの」とか。また、大学での専攻に合わせた技術的な質問もあった。 
中には、質問にうまく答えられなくて「あ、これは落ちたかな」という印象になった面接官もいたが、全体的にはとても良い手応えだった。最後に2週間以内に連絡します、的な伝達があって、その通りに電話があって、内定した。 
 
1月下旬の水曜日の朝で、携帯が鳴ったので応えると、「モルガンのHRの〜〜です。これまでの選考を経て、我々は〜〜さんと是非働きたいと思いました。1週間くらいで内定を承諾するか返答をもらえますか」という内容。就活で最初の本採用内定。人生で最も嬉しかった瞬間の一つである。 
 
 
## 
##  Barclays Capital / バークレイズ・キャピタル 
## 
 
テクノロジー部門を受けた。 
 
ES。筆記試験・グループワーク。個人面接。 
 
筆記試験やグループワークがあったはずなのだが、思い出せない。 
説明会では、当時の日本法人の社長で、納税者ランキングでもよく登場した、中居英治という人が講演に現れた。「おれはフェラーリが買いたくて新卒で外銀に入った」「フロントの部門は最終面接で俺が全員会って、何よりも『情熱・ガッツがある人』を雇う」と発言していて印象的だった。 
 
最終の個人面接は、計7,8人に会った。英語しかできないアメリカ・イギリス人が大半。1人、イギリス人でひたすら紙にコーディングテストしてくる人がいて、しっかり答えられて印象が良かった。 
 
数日後に人事の担当者からの連絡で内定と分かった。贅沢な悩みだが、モルガンとバークレイズのどちらを捨てるか、とても悩んだ。最後は直感でモルガンにした。 
この重要な決断の理由を説明するのは難しい。 
 
8年後の今だから分かることだが、どちらに入ってもあまり関係ない。この業界は雇用の流動性が高いので、モルガンからバークレイズに転職する人もいるしその逆も然り。向上心と目的意識を持って日々研鑽していれば、どこにでも行ける。 
 
当時のエピソードを1つ紹介したい。私のバークレイズの最終面接の面接官の1人で、「この人と働きたい」と思わされた知識・人格ともに素晴らしいアメリカ人社員の方がいた。モルガン入社を選んだ後もその人のことを思い出していた。すると、なんと、私がモルガンに新卒入社した時には、偶然にもその人はバークレイズからモルガンに転職されて、わずか数メートル隣のチームにいた。(その5年後に彼は切られてしまったが、今は別の会社で大いに活躍されている) 
 
 
## 
##  Merrill Lynch / メリルリンチ 
## 
 
テクノロジー部門に応募。書類選考を通過して面接の連絡が来たが、モルガンに決めたので、辞退。 
メリルは大学の先輩でとても優秀な人が入社して活躍されており、さらにメリルからモルガンに来た人で優秀な人を知っているので、印象は良い。 
 
 
## 
##  [UBS, JPモルガン, クレディ・スイス, BNPパリバ] 
## 
 
テクノロジー部門にES提出したが、モルガンに決めたので、辞退。これらの会社がモルガンより序列が低いとは思わないが、高いとも思われなかった。 
 
 
## 
##  DTC / デロイトトーマツコンサルティング 
## 
 
ES。個人面接。ケース面接。 
 
デロイトは、採用Webサイトを見ると、若手社員の紹介記事が多くあった。早慶から(特にSFCからも)多く採用しているのが印象的だった。 
説明会では、コンサル模擬体験のワークショップのようなアクティビティが用意されていた。とてもよくできていて、周りの学生からも質の高い印象を受けた。 
(少なくとも当時は)Webの新卒募集要項に1年目の年収が約650万円と書いてあって印象的であった。 
 
個人面接は、「なんでコンサルに興味ありますか」「なんでデロイトに興味ありますか」「キャリアの展望は」「学生時代に頑張ったことは」みたいな一般的な質問。 
ケース面接は、まず、日本で外国人労働者を受け入れることについての利点や問題点を考察せよ、みたいなお題で簡単な資料が与えられて1時間くらい作文する。その直後に、その文章に対して面接官2人と(バトル)圧迫ケース面接する。 
 
特に1人の面接官が怖かった。圧迫感のある人で、怒鳴るような剣幕でガンガン詰めてくる。胃に穴が開きそうだ。が、私はこの高尚な屁理屈の喧嘩の訓練をマッキンゼーのインターンで毎日、朝から晩まで鍛えられている。私は荘厳な剣幕でやり返した。倍返しだ! 
 
数日後に人事の担当者からの連絡で、次はパートナーとの面接に進んでください、となったが、モルガンに決めたので、辞退。 
 
 
## 
##  [Proctor & Gamble (P&G)] 
## 
 
ES。筆記試験。グループ・ディスカッション。グループ・個人面接。 
 
筆記試験はP&G独自の試験と思われる、TOEICの簡易版のような試験を渋谷の(学生数百人が入るような)大会場で受けた。外国人学生もかなり参加していたのが印象的だった。 
 
次のグループ・ディスカッションは、お題は忘れてしまったが、皆で与えられたテーマについて社員も交えて和気藹々話し合いましょう、といった気軽な雰囲気のものだった。 
この時に各職種(セールス・マーケティング・経営管理・HR・ITとか)の詳細な説明があり、興味のある部門を選べと促された。 
 
社員の方々は、外資メーカーのエリート・サラリーマンというより、大学のサークルの優しい先輩、みたいな親しみやすい素直な感じの人たちで、とても印象がよかった。 
また、「本社は神戸にあるので、神戸勤務を予定しろ」「アジアの拠点をシンガポールに積極的に移しているから、シンガポール転勤もあるかもしれない」という説明があった。 
 
人事から面接の日程調整について連絡があったが、モルガンに決めたので辞退。 
 
 
#################### 
##     就活終了    ## 
#################### 
 
その後に五大商社(三菱・三井・住友・伊藤忠・丸紅)の説明会に参加したが、結局本選考は受けなかった。 
説明会に参加した限りでは、どこもとても良い印象だった。社員も優秀で、日本の総合商社のビジネスはカッコいいと思った。 
 
が、(少なくとも当時は)基本的に総合職一括採用で、自分で配属部門を選べない。いわゆる配属リスク(配属ガチャ)である。 
また、海外駐在は多いとはいえ、最近は発展途上国が市場として勃興しており、東南アジアや南米諸国の駐在も多い、と聞いた。 
私は、英語圏で都会(NYやロンドン)に長期(例えば10年とか)住んでみたいという願望があった。外資金融といえば、拠点はNY・ロンドン・香港であり、恒久の転勤ができる。結局、商社は受けなかった。 
 

#  入社後 

 
入社後は東京オフィスのIT部で3年間働き、4年目にNY本社の株式部の自己勘定トレーディングデスクに異動した。 
(デスクというのは、チームという意味) 
 
モルガンでは壮絶な経験をさせてもらえたので、いつか別の機会に記事にしたい。 
 
 
####################################### 
##      学生からの よくある質問 FAQ      ## 
####################################### 
 
こちらのリンクに移動した。 学生からのよくある質問FAQ 
 
 
###################### 
##    disclaimer    ## 
###################### 
 
ここに記した内容は全て個人の意見であり、所属した組織の意見ではない。 
 
feedbackは @knxnt へ。 

  1. 2019-01-31 22:19:51 |
  2. Category : misc
  3. Page View:

Google Ads